pc回収の3つの原則
今日の環境政策が直面している基本的な課題について明らかにし、本章のまとめに代えておきたい。
すでに述べたように、現代の環境政策は、まず環境保全の目標を設定し、それを達成していくための総合的な環境保全計画を定め、そしてその具体化のための政策プログラムをもたなければならない。
その際、環境保全目標の設定は、現状追認的なものであってはならず、あくまで一定の科学的知見にもとづいて理想的に達成すべき水準をめざすものでなければならない。 そしてもし仮に、以上のような基本的立場で現代の環境政策の体系やあり方を考えるならば、環境保全目標を達成していくための環境保全計画やその具体化のための政策プログラムは、当然、以下のような2つのレベルのものを考えねばならなくなる。
まず第1のレベルは、現状の環境を規定している既存の諸構造を当面の政策与件として前提にし、その枠内で可能な環境保全計画とそのための政策プログラムをしていくというアプローチに立つものである。 このアブローチからは、前節で取り上げた東京湾の水質汚濁対策の事例でいえば、その現状を背後で規定している既存の社会経済構造(首都圏の都市活動や都市構造の基本的なあり方)の問題を当面の政策与件として前提にし、その現状における東京湾の水質汚濁の直接的な諸原因やメカニズムに対応した各種の規制プログラムを設計するという政策体系が出てくることになる。
これは、これまでの東京湾の水質汚濁対策が基本にしてきたような政策体系のあり方である。 このような環境政策のあり方は、いわば「構造与件型環境政策」と呼ぶことができょう。
これに対して第2のレベルは、現状の環境を規定している既存の諸構造を必ずしも政策与件として前提にはしないで、むしろ達成すべき環境保全目標から考えれば、当然、不可避的と考えられる諸構造の改革を戦略的に重要な政策課題として位置づけるというアプローチに立つものである。 そして、そのために必要となる環境保全計画と政策プログラムの具体化を図っていこうとするものである。
このような環境政策のあり方は、上記の「構造与件型環境政策」と対比させていえば、いわば「構造改革型環境政策」と呼ぶことができるであろう。 前節での東京湾の水質汚濁対策の事例でいえば、図10・2に示した上流域および中・下流域での都市活動や都市構造のあり方そのものの改革を射程に入れた政策体系を基本的に追求するというアプローチとなる。
ところで、以上のような2つのレベルでの環境政策の体系は必ずしも相互に矛盾し合うものではない。 むしろ現実的には、まず第1段階として、当面は「構造与件型環境政策」を追求せざるを得ないという場合が多い。
しかしすでに述べたように、「構造与件型環境政策」は、現代の具体的な環境問題の多くがその背後にある社会経済構造によって基本的に規定されているという現実があるため、必然、的に一定の限界をもったものとならざるを得ない。 そしてその限界を突破していこうとすれば、そこに、どうしても「構造改革型環境政策」の体系が客観的に求められてくるのである。
特に今日の環境問題は、この「構造改革型環境政策」の新たな確立を必要とする段階にあるものが非常に多い。 ここに、現代の環境政策が直面している新しい基本的な課題があるといってよかろう。
つまり一言に要約していえば、今日では、いわば「構造与件型環境政策」から「構造改革型環境政策」へ、という政策体系のあり方そのものの転換がきわめて重要な課題になっているということである。 では、上述したような「構造改革型環境政策」の確立はいかにして可能となるのだろうか。
周知のように、OECD加盟の主要国が環境に関する法律体系をいっせいに整備し始めたのはほぼ1970年前後の頃であった(表10・3、参照)。 すなわち、ょうやく1970年代以降になって、主要な先進工業諸国で、環境政策が国民国家の基本的な政策領域の1つとして位置づけられるようになったといえる。
しかし、現代の環境政策が、1970年代以降、主要な先進工業諸国を中心とする国民国家の基本的な政策領域として位置づけられるようになったといっても、この政策領域がもつ客観的重要性に比して考えれば、これまでのところその位置づけやプライオリティは決して高かったとはいえない。 特に産業政策や経済開発政策などの他の政策領域との関係でいえば、多くの場合、環境政策はそれらに従属し、後塵を拝してきたといえる。
それがこの約20年間の環境政策の歴史的展開の実態であった。 もちろん、たとえばイギリスの環境省(DepatmentofEnvionment:DOE)にみるように、日本でいえば、環境庁、国土庁、自治省、建設省、運輸省を含めた内政全般を幅広くカバーする。
NGOとは、「NonGovenmenta1Oganization」の頭文字をとったもので非政府組織」の略称、である。 この言葉は、国連で最初に使われ始め、もともとは国際的な非営利の民間組織のことを指していたが、最近では、圏内的なさまざまな市民組織もNGOのカテゴリーに含めるようになっている。
またこうしたNGOは、取り組んでいる課題やテーマによって、「開発NGO」「人権NG」「環境NGO」などに種別される。 このうち「環境NGOJとは、いうまでもなく各種の環境保全問題に取り組んでいるものを指すが、そこでの中心的な活動内容からみて、以下のような4つのタイプに分けることができるだろう。
第1は批判・行動型)の環境NGOである。 欧米から発展してきたものにはこのタイプが多い。
これは、政府の政策や企業の活動を批判し、その転換を迫ることを中心的な活動内容としている。 このタイプの代表的なものとしては地球の友(FiendsoftheEath」や「グリーンピース(Geenpeace」などが国際的に有名で、ある。
最近ではわが国でも、日本国際ボランティアセンター(JVC」や「熱帯林行動ネットワーク(JATAN」、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA」などが生まれてきており、活発な活動を展開し始めるようになってきた。 第2は被害者運動型)のものである。
これは公害被害者およびその支援者を中心とした組織であり、公害の根絶と被害者救済のための対政府への抗議・要請活動や裁判闘争などを中心的な活動内容としている。 このタイプは、特に深刻な公害を経験してきた日本において典型的な発展を見ている点に特色がある(全国的組織として、「水俣病被害者・弁護団連絡会議」や「全国公害患者の会連合会」などがある)。
第3は自主行動型)とでもいうべきものである。 これは、独自の自然保護、あるいは伝統的な景観・街並み・文化財等の歴史的・文化的ストックの保存、一般市民への啓蒙・普及・教育などに取り組んでいる環境NGOである。
このタイフ。 の代表的なものとしては国際自然保護連合CIUCN」や「世界自然保護基金(WWF」などが国際的に有名だが、わが国でも「自然保護協会」や「ナショナルトラストを進める全国の会Jなどが重要な活動を展開している。
さらに第4のタイプとして、(シンクタンク型)とでも呼べるものがある。 これは、調査研究・政策提言、啓発・出版活動などを中心的な活動内容としているものである。
このタイプで国際的に有名なものとしては「ワールドウオッチ研究所(WWI」や「世界資源研究所(WI」、国際環境開発研究所(IIED」などがある。 わが国でも、1979年に発足した「日本環境会議(JEC」などがこのようなタイプの環境NGOを目指しているが、その発展はこれからの大きな課題となっている。
いずれにせよ、これらの環境NGOの活動は、これからの環境政策の前進においては、欠かすことのできない重要な役割を果していくであろう。
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まず第1のレベルは、現状の環境を規定している既存の諸構造を当面の政策与件として前提にし、その枠内で可能な環境保全計画とそのための政策プログラムをしていくというアプローチに立つものである。 このアブローチからは、前節で取り上げた東京湾の水質汚濁対策の事例でいえば、その現状を背後で規定している既存の社会経済構造(首都圏の都市活動や都市構造の基本的なあり方)の問題を当面の政策与件として前提にし、その現状における東京湾の水質汚濁の直接的な諸原因やメカニズムに対応した各種の規制プログラムを設計するという政策体系が出てくることになる。
これは、これまでの東京湾の水質汚濁対策が基本にしてきたような政策体系のあり方である。 このような環境政策のあり方は、いわば「構造与件型環境政策」と呼ぶことができょう。
これに対して第2のレベルは、現状の環境を規定している既存の諸構造を必ずしも政策与件として前提にはしないで、むしろ達成すべき環境保全目標から考えれば、当然、不可避的と考えられる諸構造の改革を戦略的に重要な政策課題として位置づけるというアプローチに立つものである。 そして、そのために必要となる環境保全計画と政策プログラムの具体化を図っていこうとするものである。
このような環境政策のあり方は、上記の「構造与件型環境政策」と対比させていえば、いわば「構造改革型環境政策」と呼ぶことができるであろう。 前節での東京湾の水質汚濁対策の事例でいえば、図10・2に示した上流域および中・下流域での都市活動や都市構造のあり方そのものの改革を射程に入れた政策体系を基本的に追求するというアプローチとなる。
ところで、以上のような2つのレベルでの環境政策の体系は必ずしも相互に矛盾し合うものではない。 むしろ現実的には、まず第1段階として、当面は「構造与件型環境政策」を追求せざるを得ないという場合が多い。
しかしすでに述べたように、「構造与件型環境政策」は、現代の具体的な環境問題の多くがその背後にある社会経済構造によって基本的に規定されているという現実があるため、必然、的に一定の限界をもったものとならざるを得ない。 そしてその限界を突破していこうとすれば、そこに、どうしても「構造改革型環境政策」の体系が客観的に求められてくるのである。
特に今日の環境問題は、この「構造改革型環境政策」の新たな確立を必要とする段階にあるものが非常に多い。 ここに、現代の環境政策が直面している新しい基本的な課題があるといってよかろう。
つまり一言に要約していえば、今日では、いわば「構造与件型環境政策」から「構造改革型環境政策」へ、という政策体系のあり方そのものの転換がきわめて重要な課題になっているということである。 では、上述したような「構造改革型環境政策」の確立はいかにして可能となるのだろうか。
周知のように、OECD加盟の主要国が環境に関する法律体系をいっせいに整備し始めたのはほぼ1970年前後の頃であった(表10・3、参照)。 すなわち、ょうやく1970年代以降になって、主要な先進工業諸国で、環境政策が国民国家の基本的な政策領域の1つとして位置づけられるようになったといえる。
しかし、現代の環境政策が、1970年代以降、主要な先進工業諸国を中心とする国民国家の基本的な政策領域として位置づけられるようになったといっても、この政策領域がもつ客観的重要性に比して考えれば、これまでのところその位置づけやプライオリティは決して高かったとはいえない。 特に産業政策や経済開発政策などの他の政策領域との関係でいえば、多くの場合、環境政策はそれらに従属し、後塵を拝してきたといえる。
それがこの約20年間の環境政策の歴史的展開の実態であった。 もちろん、たとえばイギリスの環境省(DepatmentofEnvionment:DOE)にみるように、日本でいえば、環境庁、国土庁、自治省、建設省、運輸省を含めた内政全般を幅広くカバーする。
NGOとは、「NonGovenmenta1Oganization」の頭文字をとったもので非政府組織」の略称、である。 この言葉は、国連で最初に使われ始め、もともとは国際的な非営利の民間組織のことを指していたが、最近では、圏内的なさまざまな市民組織もNGOのカテゴリーに含めるようになっている。
またこうしたNGOは、取り組んでいる課題やテーマによって、「開発NGO」「人権NG」「環境NGO」などに種別される。 このうち「環境NGOJとは、いうまでもなく各種の環境保全問題に取り組んでいるものを指すが、そこでの中心的な活動内容からみて、以下のような4つのタイプに分けることができるだろう。
第1は批判・行動型)の環境NGOである。 欧米から発展してきたものにはこのタイプが多い。
これは、政府の政策や企業の活動を批判し、その転換を迫ることを中心的な活動内容としている。 このタイプの代表的なものとしては地球の友(FiendsoftheEath」や「グリーンピース(Geenpeace」などが国際的に有名で、ある。
最近ではわが国でも、日本国際ボランティアセンター(JVC」や「熱帯林行動ネットワーク(JATAN」、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA」などが生まれてきており、活発な活動を展開し始めるようになってきた。 第2は被害者運動型)のものである。
これは公害被害者およびその支援者を中心とした組織であり、公害の根絶と被害者救済のための対政府への抗議・要請活動や裁判闘争などを中心的な活動内容としている。 このタイプは、特に深刻な公害を経験してきた日本において典型的な発展を見ている点に特色がある(全国的組織として、「水俣病被害者・弁護団連絡会議」や「全国公害患者の会連合会」などがある)。
第3は自主行動型)とでもいうべきものである。 これは、独自の自然保護、あるいは伝統的な景観・街並み・文化財等の歴史的・文化的ストックの保存、一般市民への啓蒙・普及・教育などに取り組んでいる環境NGOである。
このタイフ。 の代表的なものとしては国際自然保護連合CIUCN」や「世界自然保護基金(WWF」などが国際的に有名だが、わが国でも「自然保護協会」や「ナショナルトラストを進める全国の会Jなどが重要な活動を展開している。
さらに第4のタイプとして、(シンクタンク型)とでも呼べるものがある。 これは、調査研究・政策提言、啓発・出版活動などを中心的な活動内容としているものである。
このタイプで国際的に有名なものとしては「ワールドウオッチ研究所(WWI」や「世界資源研究所(WI」、国際環境開発研究所(IIED」などがある。 わが国でも、1979年に発足した「日本環境会議(JEC」などがこのようなタイプの環境NGOを目指しているが、その発展はこれからの大きな課題となっている。
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